作品について

媒体: PCアプリケーション
制作年: 2015年
状況: 随時Update
技術/ソフト: openFrameworks, Max7, Ableton Live, Soundflower
Source Code: 未公開

音に応じて、形を出現させたり、形態を変化させるいわゆる「サウンドビジュアライザー」です。
Max7経由で音を取り込み、openFrameworksで作成されたアプリケーションが幾何学形を描画します。

制作の動機

「ジェネ系」という言葉への疑問

ジェネラティブアート、ジェネラティブデザインという概念が出てきて以降、特に日本ではクラブの映像演出でその表現が使われるようになりました。

VJがよく使う「バキバキのジェネ系」という言葉があります。
音に反応させて、線や点を過激に変化させ無秩序な画面をつくるものです。
ノイジーな色・形を画面に埋め尽くし、ジャンキーが見るような光景を演出します…。
好きな人は好きなのですが、私は正直見せられるのは辛い…。
私は「ジェネラティブアート」を愛する一方で、VJシーンが提示する「ジェネ系」は好きになれずにいました。

「ジェネラティブアート」とはMatt Peasonが同名の著作で述べるように、コンピュータの得意な繰り返し計算が、調和と無秩序がいい具合にミックスされて、その結果人間が右脳と左脳の両面で感動を覚えるような視覚表現のことだと捉えています。

サウンドビジュアライズでも幾何学としての秩序を保ったまま、コンピューターの膨大な繰り返し演算を効果的に活用している「ジェネラティブアート」の作品こそが私の見たいものでした。
無いならば自分で創ろうと思い、制作に至りました。

音とサウンドの明確な連動

iTunesのビジュアライザもそうですが、一般的なサウンドビジュアライズやVJ表現は、楽曲のどの要素に応じて図形が変容しているのかいまいちわかりません。
おそらくは楽曲の音量や高速フーリエ変換によって得られた周波数スペクトルなどを変数としてとっているはずですが、見る側は音と明確な関連を感じることは難しいです。

なので本作品では、バスドラを鳴らしたらこういうフィードバック、スネアだったらこう、という明確な決まり反応ルールを設けました。
偶然性というおもしろさは少なくなりますが、フィードバックとしての気持ちよさや秩序だった動きはあります。

制作の過程

ジェネラティブな図形を描くためのアルゴリズムを学習しました。参考にさせていただいた書籍やソースは、下の項で示しました。
Processingで説明されているものが多いですが、音を取り扱うこと、高速であることからopenFrameworksを利用しました。

Matt Pearson先生の写経

Generative Designの写経


次に、それぞれの楽器ごとの音量を取り出す方法を考えました。
思いついたのは、DAWの中で楽器ごとにチャンネルを分けて、
それをMax7経由させopenFramewroksのアプリケーションに伝達することです。この辺りの方法については、過去のブログにまとめています。

Ableton Liveの各クリップスロットの音量をMaxに連携する。ついでにoFで描画する

最後に、未解決の課題なのが楽器を鳴らしてから図形が反応するまでの遅延(レイテンシ)です。
ここは音のサンプリング周波数やバッファーサイズをコントロールしながらうまくやっていきたいところですが鋭意調整中です…。

参考

下記の書籍は私のコンピュータへの興味と美学的な興味を結びつけた最高の本です。
同時に、コンピュータの表現できる審美的な表現を明確に主張しています。
コードのみならず芸術の本としてもとても素晴らしい本でした。

以下は、図形のネタ元です。

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